幕間―碧の行く末―〜6〜その後―

 その後チョンは族の許に戻り、族長に先程の少年の話を報告する。
 少年の話に不審を覚えながらも、直ぐ傍に殷族の新邑があるとなるとやはり出来るだけ早くこの場を離れたい、羌族の村があると言うのならそちらに行きたいと言うのが皆の意見だった。
 彼等は決める、少年の言葉に従ってみようと…
 そして彼等は一刻程後にチョンが少年と出会ったその場所へと着き、そこから少年が指し示した丘を目指した。
 半日の時を経て丘に登ると、微かに白い何かを見出す事が出来た。
 それに希望を見出し、彼等は其処を目指す事にする。
 丘を下った時には既に日はとっぷりと暮れており、その日はそこで休む事となった…
 
 翌日は彼等は早朝から歩いたが、丘の上から見えた白い何かは、その日は一向に見える事は無いままに一日が過ぎ、それゆえに彼等の中に再び不安と不審が陰を落とした…
 
 次の日の早朝は霧の濃い日だった…その霧の中を彼等は方角を誤らない様に注意して進んだ。
 一刻程して霧が晴れると…彼等は更に先を急ぐ…
 昼近くが来て小高い丘に登った時、ようやく彼等はその丘を下った処に小さな村が在るのを見つけた。
 彼等は再び希望を見出し、村へと急いだ。
 村に着いてみると、村へは少年が言った通り、村へと向かったあの時よりかかった時は、約二日の時を要していた…
 村に辿り着くと、族長はチョンを伴い、その村の長に面会を申し出た。
 長に会い族長はこれまでの事を話し、またチョンにより詳しく話す様にと促した。
 すると長は暫し黙考した後に、その話の少年に心当たりがあると言った。
 長は三日程前に甥が一人で尋ねて来ていたのだと語った。
 話しを聞いてみると、長の甥というのはまだ八つになったばかりの少年なのだが幼い頃から落ち着いた賢い所のある、不思議な雰囲気を持つ少年なのだという事だった。

 詳しく聞いてみると、長は呂族の頭領の兄に当たり、この村の族は成人して独立する時に族から分かれた物なのだと語った…
 三日前…ひょんな事から近くを通りかかったので挨拶に寄ったと言う甥が、丁度その時頭領である弟に対し使いを送ろうとしていた所であったのを知ると、それならば自分がその使いを果たそうと申し出、返事は五日程待って欲しいと言ったのだという事だった…

 ―補足―
 えー呂望は移動に馬を使いました…チョンに会った時一人だったのは…丁度その時近くの河で水を飲ませていたからです…
 それと…皆様チョンって誰?とお思いでしょうが…
 申し訳ありませんがネタバレになるのでもう暫くお持ち下さいm(_ _)m
 …それと…このチョンと呂望の出会いに関しては元ネタは一切ありません…封神設定様に完全に捏造しています…
 チョンが誰なのかについて心当たりのある方はどうか秘密にしておいて下さい、どうしても確認の取りたい方はメールやアンケートをお使い下さい、正解・不正解のみお答え致します。
 それでは、お願いします<(_ _)>